2011.12.5
「ノマド」という言葉を、ここ数年意識しています。僕が解釈する「ノマド」とは、「元は遊牧民を指す言葉で、現在では、デジタルデバイスを駆使して場所に縛られず仕事や生活をする人」のこと。最近はノートパソコンを使ってカフェ等で仕事をする人の事を「ノマド・ワーカー」と呼んだりするようですが、僕が目指すのはそういうワークスタイルも含めつつ、もっと広義且つ本来的な意味での「ノマド」です。
ノマドライフの一番の特徴は「物理的・時間的な制約からの解放」と言えると思います。PC/スマートフォン/タブレット等のデバイス、そしてそれらを繋ぐインターネットの発達(特に高速化・無線化)によって、今まで以上に自由に移動できるようになっただけでなく、今までは移動しなくては出来なかった事が移動せずに出来るようになった部分も大きいのです。また、それによって時間的にもよりフレキシブルに仕事が出来るようになり、良い意味でONとOFFの境目が無くなるとも言えます。僕はフリーランス・イラストレーターなので、このスタイルが実現しやすいという部分もありますが、会社に属している人でも、部分的にノマド化することで仕事の生産性が上がると思っています。
僕はかつてはどちらかというと「移動しない自由(通勤や転勤からの解放)」を重要視していましたが、3.11以降はそれだけでなく、やはり「積極的に移動できる自由」の重要さを痛切に感じ、自分のライフスタイルもそちらにシフトするようにしてきました。今年の4月〜10月の大阪生活もその一環でしたし、その期間中により自分のライフスタイル・ワークスタイルをシンプルにするために、本を全て自炊(自分でスキャンして電子書籍化すること)し、モバイル環境(MacBook Pro・モバイルスキャナ等の導入)の整備を進めました。また、実際に大阪で生活をしながら、東京のクライアントと今まで通りに仕事をしましたが、意外なほどにストレス無く、全てインターネット・Skype・電話で仕事が完結しました(FAXは最近全く使わないので処分しました)。この大阪での生活により、「どこに移動しても、インターネットさえ通じていればクライアントに迷惑をかけずに仕事ができる」という事を確信できました。
そういった観点で僕が特に尊敬するノマドは、高城剛さんです。高城剛さんは、かつては物に囲まれた生活をしていたそうですが、2001年の9.11をきっかけに意識が大きく変わり、大半の物を処分してスーツケース4つで世界のどこにでも行ける生活にシフトされたそうです。個人的には、今後最も(ノマドとしてもクリエイターとしても)注目すべき日本人だと思っています。尤も、高城さんレベルになると、ただのノマドではなく「ハイパーノマド」という分類になるそうですが…。
また、近年ますますノマドというキーワードが注目されていることを受けて(?)、つい先日USTREAMで興味深い放送がありました。タイトルは「ノマドは世界を変えるのか?」。実は、今回このブログ記事を書こうと思ったのは、この放送を見た事がきっかけです。ノマド的価値観について人に説明する事の難しさを常々感じていましたが、この放送ではたくさんのスペシャリスト(※)が多角的にノマドを論じているので、ノマドという言葉を聞いたことが無かった人や、ノマドという言葉(考え方)に懐疑的な人にも部分的に共感してもらえるのではないかと思ったのです。
近年、人類が抱える様々な経済的・社会的問題がありますが、ノマド的思考はその全てを解決するモノ…とは行かないまでも、そのソリューションへの重要なプロセスであることは間違いないと思います。
※ 出演:坂井直樹(コンセプター) 増田寛也(東大客員教授) 村上敬亮(経産省) 赤坂俊介(映楽人) 玉置沙由里(ライフスタイルクリエイター) 柳明菜(映画監督) /パーソナリティ仲川孔望(ノマド慶応生) 高橋万里菜(ミス鎌倉)